非財務情報開示は、なぜ企業価値に「効かない」ことが多いのか
統合報告書やサステナビリティ開示に力を入れる企業は年々増えている。
ESG、人的資本、環境対応など、開示内容も以前に比べて格段に充実してきた。
一方で、こうした取り組みが企業価値の向上につながっているかと問われると、必ずしもそうとは言い切れない。
「丁寧に書いているのに、市場の評価は変わらない」という声は、実務の現場でもよく聞かれる。
では、なぜ非財務情報開示は企業価値に“効かない”ことが多いのだろうか。
研究や事例分析を通じて感じるのは、努力不足というよりも構造的な問題である。
非財務情報は、企業にとっては重要でも、投資家が評価に使える形になっていない場合が多い。
企業価値評価は、比較と検証が前提となる。
比較できない情報、検証できない情報は、評価の対象になりにくい。
非財務情報開示において本当に問われているのは、「どれだけ書いているか」ではない。
それがどのように企業価値の評価に接続されているかである。
当面、この点を少しずつ整理していきます。
(非財務情報開示と企業価値の関係について、研究と実務の両面から整理していこうと思います。)
