非財務情報開示は、これから何が問われるのか

これまで、非財務情報開示が企業価値に結びつきにくい理由を整理してきた。
努力して書いても評価されない。
KPIがあっても使われない。
ストーリーがあっても判断材料にならない。

こうした状況を見ると、非財務情報開示そのものに限界があるように感じられるかもしれない。
しかし、本当に問われているのは、開示の量や形式ではない。

今後、非財務情報開示でより重要になるのは、評価との接続である。
どの情報が、どのような評価に使われるのか。
どの説明が、企業価値の理解につながるのか。

そのためには、
・すべてを網羅しようとしない
・評価される視点を意識する
・測定と解釈を切り分ける
といった姿勢が欠かせない。

非財務情報は、企業の姿勢や価値観を示すためのものではない。
企業価値を説明し、理解してもらうための対話の道具である。

これからの非財務情報開示では、
「何を書いたか」よりも、
「何が伝わり、どう理解されたか」
が問われるようになるだろう。

開示の巧拙は、企業価値そのものを左右する。
非財務情報は、企業価値の“外側”にあるのではなく、評価の中に組み込まれていく領域なのである。


※本ブログでは、非財務情報開示と企業価値の関係について、研究と実務の両面から整理してきました。